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持ち込ませた北総も同罪! | ||
本紙ではこれまでに、前記の内容を検証して北総の悪辣な行為に批判を加えつつ、一刻も早い処分場施設の明け渡しを同社に求めてきた。これらの内容だけでも、北総を“超”悪質――と断罪するに充分な内容であったが、本稿で取り上げる事実は、それらを遥かに凌ぐほど環境に甚大且つ最悪の影響を及ぼし兼ねない内容だ。 少々前置きが長くなったが、紙面上の大見出しにもある通り、千葉県銚子市の処分場に出入りする排出業者の積荷から、基準値の約54倍もの「鉛」の成分が検出されたのだ。 積荷は、プラスチック類やゴム類その他数種類の産廃物を米粒大に細かく砕いてチップ状にし、それらをミックスした状態で処分場に運び込まれていたが、そのゴミの中から重金属類、取り分け鉛の成分が基準値の54倍も含まれていたことが県の検査結果で判明したというのだ。 更に驚くべき事に、これらの有害な廃棄物は取り除かれる事無く、現在も同処分場の地中に埋まったままだという。県がどういう指導を行ったのかは今のところ不明だが、環境に悪影響を与えることが明白な廃棄物を、県は何故そのまま放置させているのか。 だが、仮にそうであったとしても、今後は棄ててはいけないということは、本来は棄ててはいけないということだ。棄ててはいけないものを棄てたのだから、しかも再三に亘る行政の指導に背いたのだから良い事の筈が無い。 同処分場がある銚子市松岸見晴台は、愛知県や四国地方に次ぐキャベツの名産地として全国にその名を知られている。黒潮が還流する温暖な丘陵地帯である同地は、その黒潮の暖かさで冬でも冬キャベツや春キャベツが栽培されるなど、1年を通して作付けが可能だという。 ナニを大袈裟な…とお思いの方や、或いは「鉛」と聞いてピンと来ない方の為に、以下の内容を少々付言しておかねばなるまい。 |
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使命感と想像力の欠如が招く公害病 | ||
環境汚染物質として有名な物には水銀、鉛などの重金属類やPCB、DDT、BHC等の有機塩素系化合物及び農薬類、そしてカドミウム等が挙げられる。また、先にも触れたダイオキシン等の化学物質(環境ホルモン)も、最近では問題視されている。 これらは公害健康被害補償法による補償対象疾患に指定され、多数の被害者が認定されており、小学校の教科書にも必ず登場するので、正しく“子供でも知っている”公害病だ。 時として公害というものは、多くの発生源からの極めて微量な汚染物質が積もり積もって甚大な影響を及ぼすことがあるのだから、本稿で取り上げた「鉛」の件も決して大袈裟な話ではないのである。 風評被害による地元農家への影響が案じられる昨今だが、ともかく、自らの利益の為に行政や善良な企業を欺き、数々の害毒を撒き散らして憚らない北総に対して、行政も、我々も、厳しい監視の目を光らせ続けなければならない。 |
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