思考回路は幼児レベル
平成15年1月8日付け読売新聞
 平成11年4月、(株)北総技研(八千代市上高野523)志村年男(当時社長)と志村一親子から、(株)高栄(現(株)アドバンス・墨田区江東橋2-5-1)に銚子処分場計画の話が持ち込まれた。

 北総の志村が、高田松国(高栄社長)に対し、産廃処理施設設置許可証を示しながら「ここまでやっとの思いでやってきたが、もう限界だ。ここから先のことは自分達の手には負えないので、何とか仕上げて高栄さんで営業してもらえないか」と事業の話を持ちかけたのだ。

 その当時、既に高栄は産業廃棄物処理業に携わっていた。社員には産業廃棄物の講習に通った者もいて、同事業に精通してきた。
 不動産業も不景気の只中にあり、ちょうど新しい事業の計画をしていたところにこの話があったため、役員全員で検討した結果、この処理施設の譲渡を受け収集業を行う事に決定。

 平成11年8月26日、高栄は北総技研と、下記掲載の契約を結ぶに至った。
 A4用紙4頁から成るこの業務協定契約書には、千葉県から北総技研に下された産廃処理施設設置許可証も一緒に綴じられている。紙幅の都合上、今回はその契約書の一頁のみを掲載したが、その一等に記載されている四行の文章が全てを集約している。

 即ちこの契約の趣旨は、北総技研が設置を進めてきた施設を、営業許可を以って高栄に譲渡し、高栄がこれを運営するということである。
 しかし北総技研は、この契約書の一等に掲げられた内容を履行していない。

 同契約書2頁には、第4条(権利譲渡代金)として「権利譲渡価格は上記第2条の許可番号J―ロ―設―1、埋立容量13万7,875m3に対し、1立米当り3千円を乗じた金額の合計4億1,362万円也とする」と謳われている。この「約束事」に基づいて高栄は、同金額を適正に支払った。

 それにも拘わらず北総技研は、同施設を明渡さず不当に居座り続け、数々の不正な行為に及んでいるのである。

 また、同じく契約書二頁の第6条には(違約、協定解除)として「本協定は、甲、乙共に正当なる理由なくして一方的に解除はできない」と謳われている。
 ところが、この契約を結んだ約8ヶ月後の平成12年4月10日、北総技研は件の契約を解除する旨の通知書を一方的に高栄に送り付け、更に3ヶ月後の平成12年7月14日には、契約書に記載されていた譲渡金額を吊り上げる内容の通知書まで送付してきたというのだ。

 北総技研は「正当なる理由なくして一方的に解除はできない」と契約書に謳いながらも「1m33,000円ではチョッと安すぎた。もっとカネくれなきゃイヤだ」と言わんばかりに、譲渡金額の吊り上げという不当な理由に基づいて契約を一方的に破棄しようとしたのである。
 しかし、おもちゃ売り場の前で寝そべって駄々をこねる幼児の精神構造と寸分も違わない北総技研の論理は、この後も高栄を苦しめ続けることになる。

 
 数々の契約違反

 平成12年12月20日工事が完了。平成13年5月28日には産廃処分業の許可(設置の許可とは別。処分業の許可)が千葉県から下され、いよいよ営業も間近となった。
 ここでも北総技研は、その独善的な論理を以って傍若無人な行動に終始する。以前から「営業許可が下りた時点で施設を譲渡する」という約束だったにも拘わらず、5月28日の産廃処分業許可取得後も、一向に施設を譲渡しないのだ。
 高栄は再三に亘って早急な譲渡を申し入れたが、頑として譲らないのである。

 結局、同年6月20日から数回に亘り、処分場の営業について最終的な話し合いを行った北総技研と高栄は、処分場内の管理及び産廃処理業を北総技研が、そして産廃の収集営業及び売上の管理を高栄が、それぞれ責任を持って行うことで合意し、施設場内の全経費(1ヶ月=1,000万円)は高栄が支払うこととなった。

 一般的感覚から見ると、高栄側の「お人好し」加減に対して込み上げて来るもどかしさを禁じ得ないが、我が国の外交に例えるならば、相手はロシア、いや、北朝鮮並みのしたたかな国家(企業)である。その交渉は、なかなか口で言うほど簡単ではなかろう。
 それに、営業さえ開始できれば後は何とか成る、余計なことで揉めるぐらいなら、当初の約束とは少々違う条件を相手が提示してきても、黙って呑んであげよう、といった心理が働いたのかもしれない。
 ともかく、前記条件を互いに了承した約2週間後の平成13年7月5日、高栄は営業を開始した。
もちろん、業務協定契約書通り、高栄が独占的収集営業権利に基づいて排出業者と契約を結ぶという約束を踏まえ、北総技研は一切の排出業者と契約しないという前提で、高栄が契約を結んだ排出業者8社が処分場に搬入を開始した。
 ところが…。
 ここでもまた、北総技研は、契約内容を逸脱した身勝手な行動に出た。

 搬入開始直後の7月中旬頃、高栄が契約していない排出業者の車両が処分場に現れた。契約内容を無視した北総技研が、他の排出業者と勝手に契約を結んでいたのだ。その台数は日に日に増えていき、すぐに10台を越える数になった。

 そして本紙先月号でも報じた通り、北総技研は同年8月頃から、処分場の廃棄物をサンドイッチ工法(廃棄物と覆土を交互に積み重ねて行政のチェックを欺く方法)によって不法に投棄していたことが同年10月に行われた千葉県、銚子市合同の立ち入り調査で判明し、5ヶ月間の搬入停止指導、1ヶ月間の事業停止処分を受けたのである。

 本紙がこのことを報じた翌月の今月8日、右上に掲載の記事が読売新聞にて報じられた。ご覧のようにこの問題は、環境へも悪影響を及ぼし、自治体をも巻き込んだ訴訟問題にまで発展している。
 無責任且つ悪辣極まりない北総技研は、如何なる正当な理由を以って、これらの犯罪行為に及んだのだろうか。

 
 辻本清美と同じ言い訳

 北総に言わせると、銚子市では産業廃棄物の不法投棄が全国一と言われるぐらい多いらしくそんな奴等に比べたら少しぐらい違反をしても、ちゃんと許可を取って最終処分場を経営している自分達の方がどれ程ましか、我々を取り締まるぐらいなら、不法投棄業者を取り締まれ。不法投棄は違反だから摘発や逮捕、取り締まりが必要だが、許認可を貰ってる我々には行政指導で対処すべきだろう、というのが、どうも言い分らしい。なるほど共産党社長の考えそうな屁理屈だ。

 地元の市民運動家達も、「彼等は金を要求に来たがそれを蹴ったのでああいう運動を始めた」(=常務取締役志村一の話)と言われたら形無しである。
 普段、弱い人の味方、国民の正義を標榜する、共産党も利害が絡めば、盲目になるのである。人間の欲というのは宗教も政治も関係無いのね。

 ところでさっきの屁理屈だけど、許認可を持っていようが、いまいが、日本国憲法や法律を犯せば小さかろうが大きかろうが日本では犯罪というし、予め決められた量や種類を越えればこれもやはり違反である。許認可を貰った時点ではまじめだった北総も金銭面での苦渋を強いられ次から次への借金取りに毒されだんだん心がすれからしになって、度重なる違反も意に介さなくなったのだろう。

 これには“トリック”がある。嵩比重という奴だ。例えばゴミ袋みたいに嵩ばる物でも押し付ければいくらでも小さくなる。だから10tの許可を貰っていればその4、5倍の廃棄も可能となる。もっと悪質にやろうとすれば、そのゴミ山を「くい打ち機」で上から打てば底はいくらでも沈んでいく。10倍だって可能ということになる。或いはペンキというのは濡れてる時は油類らしいが乾けばプラスチック類に分けられるという。こういうことを悪用する業者も出てくるのだ。だから行政の厳しい監視が必要なのだ。

 初めは最初の出資者に感激し感謝の念を持って接していた北総もゴミブローカー達の入れ知恵に知識が肥えてゴミ量が、4、5倍になるなら、最初に投資してくれた人の出資金は4・5分の1になる。それならあと4、5倍の金を集めても良い、という考えに変わってきたのだろう。一般社会では二重、三重に契約すれば一見サギのように見えるこの件もゴミ屋ならではのトリックと言えよう。これも日本人が昔から大事にしてきた筈の「恥の文化」の忘却の一端であろう。
〔つづく〕

これが業務協定契約書だ。(株)北総技研という企業には「約束」という概念が無いのだろうか?
 
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